これまで多くの企業で問題となってきたのが転勤に関するトラブルです。

住居や通勤、心労などを考慮せずに転勤を強制した結果、不満を持つ労働者が増えていきました。

そこで厚生労働省は「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」を発表しました。

事業主が参考にしたい「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」についてここでは説明します。

転勤が見直されるようになった背景とは

日本では以前から転勤を指示された労働者は反対がしにくい風潮がありました。

転勤を断ることで社内の立場が悪くなり、キャリアアップから取り残されると考える労働者は少なくありません。

しかし、一方で転勤に関する企業側の配慮が十分とはいえない場合も多く、労働者に負担を強いるケースも目立っていました。

転勤は住居変更を伴うこともあり、労働者にとっては人生の転機になりかねない事態です。

単身赴任のストレスや新しい環境への適用など、本来ならさまざまなサポートを必要としています。

また、本人だけではなく家族にも負担がかかることもあるでしょう。

近年では女性の社会進出や育児制度の改革などが叫ばれるようなり、より転勤の問題が取り上げられるようになりました。

そして、厚生労働省の主導のもと、企業へ転勤に関する指導を行うためのガイドラインが作成されたのです。

「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」の内容

「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」では労働者が転勤によって日常生活に支障をきたし、幸福を妨げられることがないよう、多角的なヒントが掲載されています。

たとえば、転勤の際の同意に関する提言です。

本ガイドでは、転勤の指令を出すときに必ず労働者の同意を取り付けるよう指導しています。

同意はあくまで強制であってはならず、労働者の自由意志を尊重することが肝心だと説いています。

また、転勤先での育児負担についても記述されています。

転勤先で新たに学校や託児所を探す労力は労働者にとって大きなストレスとなります。

企業が金銭面や精神面で援助をすることは労働環境改善のために必要な行為でしょう。

本ガイドの特徴としては労働者の心情のケアについてかなりの指導がなされていることです。

時代と共に企業と労働者の関係は変動しており、古くからの企業体質を刷新するために有効なガイドとなるでしょう。

転勤問題を解消するメリットとは

企業側が転勤に関する問題を解消するメリットとしては、企業にクリーンなイメージをもたらし、風評の悪化を防げることです。

これからの時代では多くの就職活動者が転勤についての条件を注意して、企業をリサーチすると考えられます。

転勤についての制度が整っている企業は、志望人数を増やすことにもつながるでしょう。

また、現在在籍している社員のモチベーションを高め、会社への愛着を抱いてもらう狙いもあります。

企業が労働者を思いやる姿勢を見せれば、自ずと労働者も企業への忠誠を強めてくれるといえるでしょう。

しかし、企業にとって大きな課題となるのは厚生労働省のガイドをいかにして社則に落とし込むかです。

「転勤に関する雇用管理のヒントと手法」はあくまで手引きであり、法律ではないので企業ごとの咀嚼が必要です。

弁護士などの助けを借りて企業のカラーに合った社則を制定するのがおすすめです。

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