「有効求人倍率」「完全失業率」…経済に関するニュースを見ていると、この言葉を目にすることはよくあるでしょう。

どちらも企業の採用活動に大きく関わるものですが、その意味するところを完全に理解できていない人もなかにはいるのではないでしょうか。

そこで今回は、この2つの言葉について解説します。

有効求人倍率の意味とは

有効求人倍率は景気の波とほぼ同時に動くもので、雇用の動向を示す重要な指標のひとつになっています。

「求人数」を「求職者数」で割ったもので、世の中にどれほどの量の仕事があって、それに対してどれほどの人が仕事をしたいと思っているのかを示しています。

たとえば、世の中に50個の求人が出ていたとします。

それに対して200人が仕事をしたいと手を挙げたら、その際の有効求人倍率は「0.25」になり、10人しか手を挙げなかったら有効求人倍率は「5」です。景気が悪いときには求職者に対して求人が少なくなるので、有効求人倍率の値は低くなります。

反対に景気が良いときには求人数は増えるので、有効求人倍率も高くなる傾向にあります。

ちなみにこれは厚生労働省が全国のハローワークの求人数と求職者数を基に算出しています。

また“有効”とはハローワークの定める期間内の求人のことです。

実際には、ハローワークを通さないで採用活動や就職活動を行うことは珍しいことではありませんので、世の中の雇用動向をそのまま反映しているとは言い切れない部分があるのも事実です。

完全失業率が示すもの

完全失業率とは、「完全失業者」を「労働力人口」で割った数字です。

労働力人口とは15歳以上で働く意欲を持っている人のことをいい、完全失業者は仕事を探しているにも関わらず就職ができない人のことを指します。

「仕事さえあればすぐに働ける人」のことをいうので、ケガや病気などで一定期間仕事ができない人は完全失業者には含まれません。

有効求人倍率と同じく、雇用や景気の波を測るのに重要な数字です。

完全失業率が低ければ、働きたい人に対して十分な仕事の数がある、すなわち好景気だということができ、反対に高ければ十分な求人がない=不景気だと判断できます。

しかし完全失業率の低い/高いをそのまま日本の経済状況にあてはめるのは早計です。

なぜなら、完全失業率は実際の経済状況から少し遅れて変化する傾向にあるからです。

日本企業は不景気になってもすぐに人員整理をすることがなく、不況がさらに悪化してから従業員の解雇が行われます。

反対に景気が上向きになってもすぐに増員に踏み切ることはなく、そのためタイムラグが生まれてしまうのです。

景気の見通しがもたらす影響

有効求人倍率、完全失業率は共に景気の動向を探るのに重要な数字ですが、その算定はさまざまな条件の下行われるため、経済状況を完璧に表しているとは言い切れません。

とはいえ、有効求人倍率や完全失業率が世の中に対して影響力を持っているのも事実です。

たとえば、有効求人倍率が高い、完全失業率が低い、となれば経済の先行きは明るくなると考えられ、より良い条件での仕事を探そうと転職者が増える傾向にあります。

反対に不景気になると転職者は減りますので、企業の採用活動が思うように進まないこともあるでしょう。

数字をそのまま鵜呑みにしてネガティブになったり、ポジティブになったりしすぎてはいけませんが、なぜその数字が出ているのか、その数字が表しているのはどんなことなのか、しっかり考える必要があるといえるでしょう。

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