社会保険料は企業が約半分を負担します。

そのため社会保険からの給付は企業にとってもメリットがあります。

従業員が休業した場合、社会保険制度から休業補償が給付される場合があります。

そこで、労災・健保・雇用保険の休業に関わる給付について、企業の活用方法と注意点についてお伝えします。

労災保険休業補償の活用法と注意点

まず労災保険の休業給付について説明します。

労災保険は仕事中や通勤中のケガや病気を補償するもので、企業が保険料を全額補償します。

従業員が仕事中のケガや病気で仕事ができない状態が続くと、4日目から特別支給も含め給料の約80%が補償されます。

活用方法としては、企業が仕事上の病気・ケガで欠勤する従業員の補償に関する社内規定を決める際、労災からの給付を考慮して支給水準を決めることです。

注意点は、労災の支給基準を上回る補償を求められる可能性があることです。

業務上の労災事故に関しては、労働基準法により企業が補償することが義務付けられています。

仮に社内規定で労災事故発生時の補償として労災の休業給付を上回る設定をしていたとしても、裁判等によってそれを超える金額の支払い義務が発生する可能性があります。

企業向けの労災補償保険などで備える必要があるでしょう。

健康保険休業手当の活用法と注意点

健康保険にも従業員が休業した場合の給付があります。

傷病手当金出産手当金です。

傷病手当金は業務上以外の病気やケガで3日以上連続で休業した場合に、4日目から給料の約3分の2が最大1年6か月支給させる制度です。

出産手当金は、出産休業中に給料の約3分の2が支給されます。

この制度に関する企業の活用方法としては、休業中の給料の支給基準を手当金の水準を考慮して決めることです。

ノーワークノーペイの原則からいえば休業中に給料を支払う必要はありませんが、企業としてあえて支給するという選択肢もあります。

ただし注意点があります。傷病手当金や出産手当金は、企業から給料の支給があるとその分減額されることになっています。

従業員に対して正しい説明をする必要があるでしょう。

雇用保険休業給付金の活用法と注意点

雇用保険にも休業に関する給付金制度があります。

育児休業給付金介護休業給付金です。

それぞれ育児休業中、介護休業中に給料に対して一定率が支給される制度です。

育児休業給付金の対象は、原則として子が1歳になるまでです。

介護休業給付金の対象は最大で93日までとされています。

企業の活用方法としては、福利厚生制度の一環として、これらの公的なサポートがあることを十分周知徹底することです。

育児休業後や介護休業後の離職率を低下させる効果が期待できるといわれています。

注意点としては、これらの制度を従業員が利用する場合、企業が窓口になってハローワークに対して申請等の手続きを行うことです。

従業員が確実に給付を受けられるようにサポートするため、経営側が雇用保険の制度と手続きを理解しておくことが大切です。

確実に活用するためにも、弁護士に相談してみることをおすすめします。

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