従業員に労災になるか聞かれたら?

従業員に労災になるか聞かれたら
  • 従業員に「これって労災ですよね?」などと聞かれた
  • できれば労災にしたくないのだが・・

そのような事業主の方は多いと思います。

では、労災になる、ならないの基準はどうなっているのでしょうか?

労災の認定基準

・業務災害の場合
出張中の傷病等は、基本的に業務災害に当たります。

労働者がうつ病になったり、死亡したりしたケースでは、業務と労働者の傷病等との因果関係が問題となります。

・通勤災害の場合
通勤といえるかどうかで争われやすくなっています。

通勤といえるためには、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及び方法により行っていることが必要です。

  1. 住居と就業の場所との間の往復
  2. 就業の場所から他の就業の場所への移動
  3. 住居と就業の場所との間の往復に先行し、又は後続する住居間の移動

こんなケースは?

労災の認定は、時に微妙な判断となります。

  • 通常利用している通勤電車が翌日からストライキに入ることが確実視され、会社の指定したホテルに泊まり、翌朝ホテルから会社へ向かう途中、ぜんそくの発作が発症して救急車で病院に運ばれた場合

→通勤災害に該当しない。業務と因果関係がなければ業務災害にも該当しない。

  • 取引先との打合せが朝早くから始まるため、前日の晩から出張先である取引先の近くにあるホテルに泊まり、翌朝コンビニエンスストアに立ち寄ってから取引先ヘ向かう途中、道路の段差に躓き転倒して手首をねん挫した場合

→通勤災害には該当しないが、業務災害に該当する。

  • 取引先との打合せが朝早くから始まるため、前日の晩から出張先である取引先の近くにあるホテルに泊まり、翌朝ホテルから取引先へ向かう途中、ぜんそくの発作が発症して病院に運ばれた場合

→通勤災害に該当しない。業務と因果関係がなければ業務災害にも該当しない。

(関連記事)労災認定は企業にもデメリット!

労災認定について不明な場合は労務に詳しい弁護士に相談を

このように、労災認定は専門家による微妙な判断が必要となりますので、労災認定について不明な場合は、労務に詳しい弁護士に相談しましょう。

労災を機に、労働トラブル予防を

労災の発生は氷山の一角で、労務管理全般に問題があるかもしれません。

労災の発生を機に、労務に強い顧問弁護士を付け、労働トラブル全般を予防することをお勧めします。

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
開所以来、姫路エリアに密着。使用者側労働問題に注力。経営法曹会議会員。

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