「過労死ライン」働きすぎによって健康障害が出てしまった場合に、労働災害と認定される基準となる時間外労働時間の目安となるラインです。

労務管理が甘く、実際に過労死が起こってしまってからでは企業にとって大きな経営リスクとなる恐れもあります。

ここでは企業が陥ってしまいがちな対応と正しい対応を見ていきましょう。

過労死ラインの基準は月80時間の時間外労働

過労死ラインは月80時間以上の時間外労働が行われていたかどうかが目安となります。

これは健康障害の発症から2〜6カ月の間で月80時間以上の時間外労働が行われていると、健康障害と長時間労働の因果関係が認められやすいということを指しています。

あくまで基準であって絶対的なものではなく、業務内容や残業の状況などによって判断されます。

特に人手が足りない中小企業では1人の従業員に業務の負担が集中してしまいがちなので、経営者や労務管理の担当者が従業員の勤務状況を適切に把握しておく必要があります。

企業が陥ってしまいがちな対応

従業員に残業をさせる場合には「三六協定」という労使間の合意が必要となります。

これは労働基準法36条によって定められたものであり、原則として1カ月あたり45時間までの時間外労働となっています。

悪質な場合には「6カ月以下の懲役刑または30万円以下の罰金刑」が課されることもあります。

また正規の残業代を支払っていない場合も違法状態となるので注意が必要です。

時間外労働をさせる場合には25%の割増賃金を支払う必要があり、2010年の法改正によって時間外労働60時間を超えると50%の割増賃金を支払うことが定められています。

故意に残業代を支払わないといったことがなくても、労働関係の法律は細かい部分も定められているのでチェックが必要です。

違反すると労働基準監督署の指導などが入ったりすることもあるため、雇用主は適切な対応をとる必要があります。

経営者にとっても従業員を残業されるほど残業代もかさみ、生産性が低下するとか、最悪の場合に過労死に至るといったリスクもあるので意識しておきましょう。

ワークライフバランスを意識した正しい対応

従業員が過労死に陥ってしまうことを防ぐには、一番分かりやすいのが残業時間を減らすということです。

人員の配置や業務の見直しなどを行って、可能なかぎり従業員が働きやすい労働環境を作っていきましょう。

健康診断や社内レクリエーションを行うなどして、従業員の健康管理に意識を向けることも重要です。

また仕事に対する評価を労働時間ではなく、労働による成果に注目していく視点を持つことも大切です。

むやみな残業を減らしつつ、売上や利益を確保するバランスをとってみましょう。

まずは関係部署と連携して働き方や休みのとり方を改善していくことが大切です。

自社で対応が困難な場合には、労務関係に強い弁護士などに依頼してみるのもいいでしょう。

過労死が起こってしまう前に適切な策を講じることが、経営の安定にもつながっていきます。

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