経済が回復してきている影響などもあり、就職活動は売り手市場化してきています。

企業は優秀な人材を確保するためにさまざまな手を使いますが、最近話題になってきているのが、オワハラと呼ばれる採用担当者によるやや強引な学生の囲い込みです。

インターネットが普及してきている現在では、あまり強引な手を使うと、かえって優秀な学生を逃すことにつながりかねませんので注意が必要になります。

会社のマイナスイメージにつながることも

オワハラとは、「就職活動終われハラスメント」の略であり、企業が学生に対して就職活動を終わるように迫る行為のことを指します。

具体的には、「この場で即内定を出しますので、受けている会社にすべて連絡を入れて、辞退しなさい」といったように、他社の内定辞退を強要するような行為のことを指します。

また、他社の面接に行かせないように妨害する行為も、これにあたることがあります。

学生がSNSなどで情報交換をしている時代ですので、不安を感じた学生が書き込みをして、会社の悪いイメージが拡散し、次年度から学生の応募が減少してしまう可能性があります。

場合によっては学生の職業選択の自由を阻害したとして、法的な責任を問われかねないので注意が必要です。

採用担当者が注意すべきこと

就職活動の終了を強要しなければ問題はないのですが、そのラインは採用担当者が思っている以上に浅いこともあります。

例えば、「他社をすべて辞退すれば、この場で内定を出します」といった交渉は、学生の側にも自由があるように感じます。

しかし、明白に就職活動を阻害していなくても、学生が不安を感じたり、強要されたと感じたりするような行為であれば、オワハラに該当する可能性があります。

内定辞退をしようと連絡をしてきた人に対して、「絶対に入社してください」などと脅す行為や、「○月○日までに返事を出してください」と期限をつけたり、「○月○日から研修を行うので出席してください」などと、実質的に他社の面接を受けさせないようにしたりする行為も、これに該当する可能性があります。

正しい対応や予防法は?

採用担当者はさまざまな手を使って優秀な人材を確保しようとしますが、学生は知識や経験が乏しい弱者であり、対等な立場ではないということを理解しておきましょう。

正式な採用内定を出すと、その時点で法的に労働契約が成立しているという考え方が過去の判例(最判昭54.7.20大日本印刷事件)によって確立されているので、他社への就職活動をしないように説得をすることは、ある程度までならば可能でしょう。

問題は、どこまでならば強要にあたらないのかというラインにあります。

企業の側から内定を取り消すことは難しい半面で、学生の側から内定を辞退することは比較的自由ですので、このような問題は構造上起こりやすいということは認識しておくべきです。

悪いイメージを持たれてしまって優秀な人材に内定を辞退されてしまうだけでなく、悪評が広まってしまうことは避けなければなりません。

労働問題に強い専門の弁護士のアドバイスを受けることがおすすめの方法です。