医療クリニックでは、患者への適切な処置のために、昼夜を問わず様々な職種のスタッフが活躍しています。人々の生活のためになくてはならない存在ですが、その多忙さや人員の多さから、労働管理をめぐってのトラブルが生じることがあります。クリニックにありがちな労働問題や、その予防法、対処方法についてご紹介します。

医療クリニックにありがちな労働問題とは

医師や看護師、技師、事務員など様々な職種のスタッフが所属している医療クリニックでは、個々の職種に応じた労働管理が必要になります。また利用者の多いクリニックでは、医師や看護師に二交代制がとられ、さらに残業や早出など不規則な対応がとられることもあります。このようなクリニックでは、労働時間の管理や残業代、手当の支払い、休憩時間や休日の確保などでトラブルが生じることがあります。

よくある失敗例

クリニックでよく訴えられるのが、過重労働やサービス残業といったトラブルです。たとえばクリニックでは、突然の急患や、入院している患者の急変など、予期せぬ事態が多発します。通常の交代勤務制や早番、遅番、夜勤などの労働時間管理に加え、このような緊急事態への対応を組み込んだうえで従業員の労働管理をする必要があります。

しかし、報告遅れや緊急事態の連続の中で、ともすれば管理者側が正確な労働時間を把握できず、適切な賃金や休憩時間、休日を与えられない場合があります。このような状況に対する従業員の不満が、突然の退職希望や過重労働、残業代未払いに対する訴えへつながる可能性があるのです。

また管理者側が医師や看護師への待遇に集中しすぎると、他の職種へのケアが行き届かず、労働管理をめぐってのトラブルが引き起こされるリスクもあります。したがってあらゆる職種に目を配り、適切な対応を行うことが求められています。

トラブルの予防法と対処方法

このようなトラブルを防ぐためには、就業規則において職種ごとの労働条件や給与体系を明示したうえで、就業規則に基づいた適切な労働管理を行うことが重要です。

特に労働時間と給与・手当については、管理者と従業員との間に認識の違いがないよう、常に正確に記録しておくようにしましょう。従業員側から管理者へ直接不満の訴えがあった場合には、就業規則や労働基準法などを参照しながら、双方の和解点を探っていくという対処方法が一般的です。

しかし時に従業員が管理者に言わないまま、労働基準監督署へ申し出るケースもあります。このような場合は、クリニック側が法律違反を犯していない限り、労働基準監督署が仲介になり双方の妥協点を模索していくことになります。もしクリニックが労働基準法違反をしていた場合、初回は是正勧告がなされ、改善がみられなかった場合にのみ刑事罰が処されます。そのため就業規則に基づく適切な管理と、法律違反をしていないかを常に確認すること、従業員がすぐ不満を申し出やすいような職場の仕組みづくりが重要といえるでしょう。

ただ、そうした対策を忙しい経営者自身が行うことは困難かもしれません。そのような場合は、労務に強い弁護士に労務管理の見直し全般を相談するとよいでしょう。

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