職場のパワハラ――企業側が陥りがちな対応と正しい解決法・予防法

職場のパワハラ

パワハラとはパワーハラスメントの略で、会社や組織で上の立場の人間が、権力をふりかざして下の立場の人間を圧迫する行為を指します。

ここではパワーハラスメント問題と解決法について考えていきます。

考えられる事例や問題点

職場で起こるパワハラは、無意識のものと意識的なものとに分類されます。

たとえば、上司にとっては普通に部下を叱っていたつもりでも、「今日中に残った仕事は終わらせていけ」などのように、言葉がきつくなっていたとすれば、部下が必要以上に重く言葉を受けて止めてしまう可能性があります。

一方、意識的な暴力になると、上司は部下が抵抗をしてこない前提で言葉や肉体的な暴力におよぶこともあります。

そして、理不尽な命令を告げ、「できなければ左遷する」などの脅迫で部下を支配しようとします。

どんな形であれ暴力は部下のモチベーションを著しく低下させ、酷いときには精神疾患などの症状が現れ、健康状態を損なわせることもあります。

意識的であれ、無意識であれ、一方的に下の立場の人間を攻撃する行為は、健全な企業経営の妨げになる行為であり、発覚すればすみやかな対処が求められます。

ただし、他人への攻撃が習慣化している人にパワハラを止めさせることは困難であるケースも見られます。

(関連記事)上司のパワハラでうつ病になったと言われた。

やってしまいがちな対処法

上層部が被害についての相談を受けた場合、やってしまいがちな対処法が「様子を見る」ということです。

企業は問題が起こると、「被害者と加害者」ではなく、「上司と部下」として問題を分析しようとします。

結果、加害者側の立場や心象を慮ってしまい、「すぐに注意すると失礼になるかもしれない」などの考えから、即座に対応しないことがありえるのです。

その間にもパワハラはエスカレートし、被害者のストレスが膨らんでいくことも考えられます。

「考えすぎではないか?」、「我慢してみることも大事だ」と、被害者側に非があるような言い方で、丸く収めようとするケースもありがちです。

しかし、この方法では被害者のモチベーションと企業への信用を低下させ、自主退職につながる可能性もあります。

被害の報告を受けたら、組織は真摯な対応で問題の解決に奔走するよう努めましょう。

問題解決のための注意点

解決のためにはいくつかの方法が考えられます。

まず、被害者と加害者の配置を転換し、仕事上の接点をなくしてしまう方法です。

この場合、一時的な問題解決にはなりますが、加害者が新たなターゲットを生み出してしまうこともあるので、安心せずに経過を見守るようにしましょう。

事態の詳しい情報収集も必要です。

被害者と加害者のみならず、第三者的な立場からの証言も集め、客観的な原因を探ります。

そして、人格的な問題か、二人の相性なのか、それとも職場に誘発する環境があったのか、明らかにしていきます。

左遷などの方法もなくはないですが、職場の混乱を考慮すれば、できるだけ平和的に、加害者の態度が改まるようにサポートしましょう。

カウンセリング導入も検討することをおすすめします。

ただ、こうした事後的な対策では同様の問題は防げません。

パワハラが起きにくい職場づくりが最大の対策となります。

そこで、労務に強い弁護士に相談し、就業規則をはじめとした労務管理の見直しをしてもらうとともに、万一問題が生じた場合でも即座に対応してもらえるようにすることが大切です。

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
開所以来、姫路エリアに密着。使用者側労働問題に注力。経営法曹会議会員。

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