事例詳細

Y社は、従業員約30名でラーメン店を経営する株式会社です。

Y社は、ラーメン店で調理を担当していたXに遅刻など勤務怠慢があったことを理由として、1か月後に辞めてもらうが、いづらいなら今日で終わりにしても構わないと告げたところ、Xは、いったんは「今日でやめます」と答えたものの、数日後、離職票の離職理由を会社都合の勧奨退職にしてほしいと要請し、会社はこれに応じました。

ところが、某ユニオン(労働組合の一種)は、Y社にXの組合加入を通知し、Xに対する解雇予告手当及び未払の時間外手当の支払いを求めて、団体交渉を申し入れてきました。

団体交渉では、Y社は、Xを解雇した事実はなく、また、時間外労働をさせたことはないと説明したところ、ユニオンは、X退職の経緯とXの就労実態を明らかにするよう求め、団体交渉の継続を求めてきました。

その後、労使は、事務折衝において解雇予告手当の支払等に関して協議を続け、和解条件についても話し合いましたが、合意できませんでした。

そこで、Y社は、ユニオンの次の団体交渉申入れに対し、Xの件はすでに回答を尽くしており、今後協議、回答することはないと通知しました。

にもかかわらず、その数日後、ユニオンはXの解雇予告手当及び時間外手当に関する団体交渉を改めて求めてきましたので、Y社は回答しませんでした。

すると、ユニオンは、労働委員会に不当労働行為の救済を申し立てました。

労働委員会は、解雇予告手当については、Xやユニオンに十分な説明を行っておらず、離職に際して未清算の事項が存在するので、協議する必要があるとし、時間外労働については、Y社がタイムカードの一部しか開示していないこと、具体的な職務怠慢の説明をしていないこと、ユニオンの理解と納得を目指した誠実な対応でないなどとし、解雇予告手当と未払残業代に関する団体交渉申入れに応じないことは、団体交渉拒否という不当労働行為に当たると判断しました。

Y社は、勤務態度を理由としてXに辞めてもらおうとしたところ、Xがすぐに辞めると言ったといった事情や、本来自主退職とすべきところを、Xの失業保険受給が有利になるよう退職勧奨扱いとした事情、ユニオンと事務折衝にて十分話を尽くしたとの事情があったにもかかわらず、団体交渉に応じないことが不当労働行為に当たるとされ、そのショックは計り知れません・・