サービス残業とは、ご存じのとおり、従業員に賃金を支払わずに残業させることをいいます。

そして、サービス残業は、単なる債務不履行にとどまらず、労働基準法に違反します。

とはいえ、あからさまなサービス残業が問題となった昔と異なり、現在、多くの企業は、従業員にサービス残業をさせていないと考えているようです。

しかし、実際は、企業が意識せずに従業員にサービス残業をさせている場合があり、注意が必要です。

サービス残業チェック

 

以下の1つ以上に当てはまる場合、御社が従業員にサービス残業をさせているかもしれません。

□ 従業員の残業防止のため、残業時間を「2時間まで」などと限定している
□ 従業員が会社が許可した以上の残業をしてしまっているが、勝手に行っているので仕方がないと思っている
□ 固定残業代を支払っている
□ 従業員が仕事を家に持ち帰っている
□ 従業員を管理職に昇進させ、残業代を支払っていない

どうでしょうか?

1つでも心当りがある場合、おそらくサービス残業が行われています。

法的リスク、危険性

では、サービス残業にはどのような法的リスク、危険性があるのでしょうか?

・未払残業代を請求される

まず、サービス残業の場合、労働に対する正当な賃金が支払われていないので、未払残業代請求をされるおそれがあります。

具体的には、2年前にさかのぼって未払の賃金に時間外の割増賃金、訴訟ではさらに同額の付加金を付けて支払わねばならなくなります。

そして、そのような請求をする従業員が1人いるということは、他の従業員も同様の請求をする可能性が高く、そうなると、請求額の合計は数百万~数千万円に上る場合もあり、事業の存続に影響が出る場合すらあります。

・労基署の調査を受け、刑事罰を受ける

のみならず、サービス残業をさせることは、労働基準法違反ですので、従業員の通報により労基署が臨検(調査)に入り、悪質な場合は、会社と経営者が刑事罰(6か月以下の懲役刑又は30万円以下の罰金刑)を受けるおそれすらあります。

・うつ病、過労自殺、労災につながる

このほか、サービス残業は長時間労働の温床ですので、長時間労働によるうつ病等精神疾患の発症や過労自殺を招き、労災認定されたり、高額の賠償請求をされたりといったおそれが生じます。

・「ブラック企業」とのレッテルを張られる

何よりも、サービス残業が周囲に発覚すると、「ブラック企業」とのレッテルを張られ、企業内外の評判が落ち、従業員採用の妨げになったり、従業員退職の原因となったりしますので、ただでさえ人手不足気味の現在、経営の大きな足かせになるおそれがあります。

正しい対応

もし御社が従業員にサービス残業をさせていることに気づいた場合は、該当する従業員ごとにサービス残業による未払賃金等を計算し、支給する必要があります。

こうした対応について、御社自身では困難な場合は、労務に強い弁護士に相談しましょう。

サービス残業解消を機に労働トラブル予防を

とはいえ、未払残業代の問題は、労務問題の氷山の一角にすぎません。

そこで、サービス残業解消を機に、労務に強い弁護士を入れ、労務全般の見直しをしておくことをお勧めします。

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